プレロードシェル工法 概要
土木工事(道路、鉄道、水路等)の構造物を構築する際には、トンネル、シールド、立坑、函渠など地山を掘削する工事が発生する。掘削に際しては、地山の地質、地山の深さ、荷重の関数的特徴等が複雑に変化するのでトンネルは複雑な荷重を受ける、この荷重を支えるのに支保工が用いられる。
支保工は、荷重が掛る前に設置されるが地山との間に空隙が生ずるので、この間隙を埋めねば地山が沈下することになる。これを防ぐには速く空隙を埋める必要がある、これに対応するのが「プレロード工」でトンネルを長期にわたる供用に対して、荷重を滑らかに支保工に伝達させる支保部材で、一般には、トンネル掘削後吹付コンクリートで地山を覆うがその前にロックボルトで地山を補強する、
トンネルを掘削すると、取り除かれた岩、土などが負担していた応力が開放され、新しい応力の釣り合いの状態になる、これが応力の再配分と呼ばれる現象である。
この緩み現象に対してトンネルを早く安定させるため、速やかに支保部材で地山を受けてやることが必要となる、建て込まれた鋼支保工は地山との間に空隙は避けられず、そのため速やかに地山との一体化を施さないとその分沈下することになる。
この目的のために開発されたのが「プレロードシェル」で、地山と支保工の間に袋体をセットし袋にモルタルなどを圧入することで支保工と地山が一体化され支保能力を発揮する。
トンネルの掘削に伴い生ずる再配分応力が、地山を構成する岩盤の強度を越えると地山は破壊または塑性変形を起こしてくる、周辺に生ずる変形領域は、地山強度比が小さくなるほど大きくなる。
そのために変形出来てしかも早く空隙が埋められて固まる支保構造が望まれる。その目的に致するのがプレロードシェルなのである。
プレロードシェル部材
プレロードジャケットは、消防ホースの製造施術をもとに作られている合成繊維製の耐圧性袋体です。
周方向に継ぎ目の無いシームレス構造なので、均一性に優れており安定した品質が確保されます。
- プレロードジャケットは、通気性、透水性を有し、耐圧性に優れています。
- プレロードジャケットは、フレキシブルに富み、間隙充填性に優れています。
- プレロードジャケットは、逆止弁付注入口を供え、注入作業が容易に行えます。
(注入したモルタルの加圧脱水により、高強度の充填硬化体を形成する事が可能です。)
プレロードシェル工法用に開発されたプレミックスタイプの急硬性充填材です。
- デンカプレロードモルタルは、凝結調整剤「デンカセッターD500」を併用することで、硬化日寺間を調節出来ます。
- デンカプレロードモルタルは、流動性に優れ、高充填性が確保出来ます。
- デンカプレロードモルタルは、加圧脱水性、無収縮性に優れ、注入直後から効果を発揮します。
プレロードシェル工法 用途
現在の採用事例
開発当初は、山岳トンネルの補助工法として、国内に紹介してきましたが、現在の採用事例では、地上構造物のアンダーパスにおける、先受け工法的な使用事例も増えてきました。
今後の適用事例
さらに最近、地下鉄、地下高速道路等に対する、適用実績が大都市圏で増えてきました。
今後、大深度地下構造物向けの採用も検討されています。
トンネル
近年、トンネル工事において地山の先行緩みの防止や切羽・天端の崩壊を防止する目的で先受け工法の採用か増大しております。
プレロードシェル工法は、先受け工で形成されたアンブレラアーチと鋼製支保工の間隙や支保工脚・・・・・・
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地下
地下空間における微細な部材間の間詰めにより構造物の固定・安定・補強を目的とする。
[既設構造物(導水路トンネル・カルバート設置に伴うルーフと部材間等)の補強への転用等]
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プレロードシェル工法 施工実績
【 施工場所 】
現場 : 岐阜県土岐市
施工期間 : 1999年3月〜5月
施工目的 : MAG道路がJH中央道のアンダーパス部で土被り10m以下で施工する為、上部の沈下防止の為、パイプルーフと併用した。